2014/07/11
京友禅の老舗・千總「村上哲次のきもの語り」7月は「一珍染め」
京友禅の老舗・千總の村上哲次さんにお話いただく「きもの語り」は、友禅の様々な技法を取り上げています。7月は「一珍染め」。一珍糊だけでなく、様々な糊についてもお話いただきました。
一珍糊は、小麦粉を煮て、糠、消石灰、布海苔等を混ぜて練り上げたもの。素朴な味が特色です。糯糊に比べて粘りに欠けるので細い線が描きにくく、乾燥後に亀裂が入って生地からはがれやすいなど難しい技法です。
千總ではこれに染料をいれて、写し一珍糊をつくり、先金を付けた筒紙で描きます。糊が防染と染料を兼ねるのが特徴です。
今月の逸品きものは写真の訪問着。素朴なはずの一珍染めの着物ですが、教室からおもわずため息がでるほど、上品に洗練された着物でした。
ぽってりとした隈や細かいひび割れが特徴です
この道40年の一珍染めの職人・蒲池さんが送ってくださった道具も見せていただき、熱い思いがこもった手紙も読んでいただきました。
投稿:塚本
カテゴリー:イベントレポート