十五夜
中秋の名月は満月を楽しむ行事で、名月が一番美しいとされ、今年は九月十二日でした。十五夜を「芋名月」と呼び、里芋が主に供えられます。

十三夜
後の月と呼ばれ、十五夜の次の月 一か月後の月のことを言い、今年は十月十七日です。十三夜は「豆名月、栗名月」と呼びます。

十五夜を愛でて十三夜を行わないのは片見月とも言い、良くないとも言われています。十五夜と十三夜、両方の月を愛でるのがよいとされています。

 

月見にちなんだ植物
①     ススキ 薄・芒(イネ科)
別名・・・尾花・芽・袖振草・乱草・露見草・カワクサ
名の由来・・・ススキの「スス」はすくすく伸び「キ」は茎とか草の意味。「尾花」は花穂が馬の尾に似ているからで「芽」は刈って茅葺にするからの意味

日当たりのよい山野に生える多年草で、株立ちで群生しています。秋の七草の代表的なひとつで、古くから日本人に愛されてきました。お月見に欠かせない植物です。ススキは月の神が宿る依代で、稲穂がまだ収穫期に入っていない時期、稲に代わるものとして穂が似ているところからススキを用いました。十五夜では十五本または五本、十三夜では十三本またはのススキを供えます。

どこにでもあったススキですが、最近は草刈が早く行われ、見つけにくくなっています。当てにしていた土手際の空き地に行ったところ、すでに刈り込まれていて、当てがはずれたものです。近くの人が教えてくれた場所に行ってみたものの、ススキではなく萩(オギ)でした。見た目よく似ていて、まちがわれることも多いのですが、残念な思いでススキを捜したものでした。

〈ススキとオギの違い〉
◎ススキ
乾いた所に生える、株立ちに生える、穂は短目で少ない、金色に光る(稲穂の見立て)、葉は細目

◎オギ
水辺か湿地が多い、株立ちせず一株づつ生える、穂は長目で多く垂れる、銀色に光る、葉はススキより巾は広く丈長目

これだけの違いはあるのですが、河原などでは一緒に生えていることも多く、よく見ないと違いはわかりません。

投稿:染子(室礼伝承会講師)

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