新宿タカシマヤ「桐庵」で重陽の節句 菊ときものの室礼展を開催しています。9月6日(金)から9月9日(月)まで。8日(日)には室礼についての無料解説が13時からと15時からの2回行われます。室礼は家庭内で行われる日本の素晴らしい文化の継承の在り方だと思っています。現在は核家族化が進んでその文化継承システムが壊れてきています。新しい文化の継承の在り方を東京きもの倶楽部と考えて、つくっていきたいと考えています。

 新宿タカシマヤ11階呉服サロン

「重陽の室礼」  解説日 9月8日(日) ① 13時から  ② 15時から

  

重陽

 九月九日は重陽、又の名を菊の節句といわれる日です。中国から伝来した五節句の最後の節句で、陽数(奇数)の最大の九が二つ重なるたいへん芽出たい日といわれています。 この日に、酒に菊の花を浸した「菊酒」を飲むと長寿でいられると伝えられています。又前夜菊の花に真綿を被せ、翌日それで体を拭うと長寿を保つという「被せ綿」の行事が、宮中の女官達に伝えられました。 中国の周の穆(ぼく)王(おう)の侍童であった菊慈童は、王様の枕をまたいだ罪で、地方へ流されました。ある日菊に溜った露が流れ落ちて川になっている所で水を飲むと、とてもさわやかな気分になり、不老不死の仙人になったとのことです。 菊は、桃と同じく古来より長寿をもたらす仙薬と考えられていたのです。日本には(山野に自生する)野生の小輪の菊はありますが、今見るような大輪の家(いえ)菊(ぎく)といわれるものは、中国から伝えられました。どんどん改良されて現在のような美しい花となりましたが、万葉集には菊の歌が一つもなく、古今集には入っていることから、奈良時代(七世紀)以降、菊の文字と共にもたらされたと思われます。 いかに日本人が菊を愛でたかは、皇室の御紋章が十六葉八重表菊であることからも伺えます。後鳥羽上皇の時に定められたとのことです。