⑥     カジノキ(梶の木、クワ科) この木はコウゾの仲間で、和紙の原料となります。古くから栽培され、今では野山に野生化しています。梶の葉に文字を書いたと言われ、後の短冊に願い事や歌を書いてササに吊るした起源だそうです。“表に書くか…裏に書くか…”ある本には裏に書いたと記してあるそうな。どちらに書いても書きやすく大きな葉です。 自然の植物の力にはかなわないもので、繊細な切れ込みが素晴らしく、何とも言えない美しい形の葉です。 昔は天皇の手習いの葉とされ、民間人は柿の葉が手習いの葉だったそうです。この葉の繊維で布を織ることもでき、織女星の別名を梶の葉姫とも言います。また天の川伝説にも出てくる舟の舵が梶と同音であることからその意味にも使われます。

⑦     センノウ(仙翁、ナデシコ科) 七夕の花として古い花伝書には「仙翁花」があると記されています。京都嵯峨の仙翁寺(すでに廃寺)にて初めて見たのでついた名だとか。気品のある花です。フシグロセンノウ、マツモトセンノウなど仲間にはいろいろと種類があります。 江戸時代には七夕の日に近衛家から宮中へ花束を届ける使いが出て、七種類の草花を扇形にまとめた「花扇(はなおおぎ)」を作り、贈り物としました。その中にはセンノウが必ず入れてあります。

⑧     ササユリ(笹百合、ユリ科) 葉が笹に似ているところからの名で、野生の百合の中で最も気難しい百合のひとつと言われています。自生地から移植しても育ちにくいのです。何度か試しましたが、翌年咲いたこともなく、悲しいかな一年で消えてしまいました。花色は白色又は淡桃色です。子供の頃、山地の影にひっそりと咲いていたのを思い出します。林の中で清らかな感じで静かなイメージの花でした。残念なことにその場所は今はもう行くことができないくらい荒れた山道となっていました。ササ=笹、百合の別名=和合花ともいわれ、二星を表わす意でも使います。

⑨     イトススキ(糸芒、イネ科) 園芸種であるが、糸=織姫星=織女に因んで使います。

⑩     ドウダンツツジ(燈台躑躅、ツツジ科) 漢字名=満点星(まんてんせい)

 

いろいろ探し出して行くとまだありそうですね。

今年の我が家の唐糸草はとても元気です。毎年七夕の頃にちょうど合わせたように咲き出し感激したものですが、今年はどうやら早目に咲き出し、すでに蕾も少なく「七夕の日」にはいくつ残っているやら・・・。残念な年になりそうです。

投稿:染子

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