③ クリ 栗(ブナ科)
縄文時代からある木で、実栗(みくり)という言葉があるように食料、木材として多用されていたことがわかる、日本古来からの樹木で、古くから貴重な山の幸でした。木材としては湿気や水に強く、腐りにくいといわれています。

十三夜は「栗名月」と言われていて、この頃収穫の栗が供えられます。栗ご飯、栗きんとん、栗まんじゅう、栗の和菓子・・・いろいろ関連のものも多いですから、お月様にお供えしましょう。

別名・・・栗黄、天台道果、実栗、三栗、君州栗など

名の由来・・・黒い実を意味するクミの転化とも言われています。野生種はジバグリ、栽培種はタンバグリと呼ぶこともあります。

栗の花
花は雌雄の別があり、雄花は白い多数のブラシ状の花穂に咲き、雌花はブラシ状の穂の付け根に咲くので、あまり目立ちません。この花は満開になると異臭を放ちます。

勝栗
栗の実を冬の保存食とするために作られました。作り方は虫を殺すために生栗を2週間水につけ、ざるやかごに入れ1週間ほど陰干しにします。それを箱の中に入れて米ぬかや砂に埋めて保存すると冬場になっても味がおちず美味になります。勝栗の言葉から武家の出陳や勝利の宴には「勝に通づる」ことから必ずお膳にそえられたと言います。また歯は齢に通じるので「歯がため」にも用いられたようです。

投稿:染子(室礼伝承会講師)

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