今月号のかわら版から始まった
「四季を楽しむ日本の伝統行事」というコラムで
挿絵を担当している染子です。

私が暮らす地域には、豊かな自然が残っていて、
草花や畑の野菜から季節を感じることができます。
散歩中の出来事、季節の移ろいをお話しようと思います。

この季節、木々の葉が落ち、枝にからみついて、
ぶらさがっている赤い小さな瓜、
そう、カラスウリです。

カラスウリの実はよく見かけるものの、
花をご覧になった方はあまりいないのではないかしら。
花は夏から秋にかけて夜に咲く一夜花なので、
朝に見るともうしぼんでいて、
その姿形は想像できないと思います。

それはそれは美しい神秘的な白い大きな花です。
まるでレース編みのモチーフのようで、
白い大きな花が闇夜に浮かんで咲いている姿は感動的です。
昼間みた蕾からは信じられない美しい花です。

カラスウリは、
スズメガという夜行性の大きな蛾の仲間が
深夜12時以降にやってきて、吸密行動をとり、
そこで受粉した花が結実する訳で、確率は低く、
実になったカラスウリはエリートと言えます。
夜行性の昆虫の眼をとらえるには、
白くて大きな花が目立って効率がよいのです。

投稿:染子

カテゴリー:日々の出来事